学習支援者の必読書
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勉強の苦手な子は私の教師・・・
この心得が、私たち学習支援者を強く、長く支えます。
たとえば掛け算九九の 7×6 が覚えられない高校受験生を前にしたとき、私たちは、どんな理屈で、何を、どのように教えれば、中学3年生は 7×6 も使いこなせるようになるのでしょうか。
そもそも、小学校、中学校、高校と進むなかで、計算の理屈と手順を変えずに済む、一貫性のある教え方の体系は、存在するのでしょうか。
勉強の苦手な子こそ我が導師とみなして、 算数・数学教育の基本原理と体系を明らかにした世界で最初の本が 『数学の学び方・教え方』 (遠山啓著 岩波新書)です。
算数・数学の指導に携わる方は、この本を最低限、かならず、お読みください。
(ただし「学校論」)
この本を読まずに学習支援に携わるのは、自動車の無免許運転くらい危険、と御理解ください。
以下、この本(前半部)の熟読を前提にした、算数・数学のコツの解説と教材のご紹介です。
一点豪華主義の一点だけ習得させれば、
その他は生徒が独習できる
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あらゆる教科の、あらゆる単元に、
一点豪華主義の一点、一点突破・全面展開の一点が、存在します。
その一点さえ習得すれば、その他の事柄は、生徒が独習できる。そのような一点です。
その一点を、生徒が確実に習得できるように、教師は教え方を工夫します。
算数・数学の、そのような一点やイメージのいくつかを列挙してみましょう。
・「1」は正方形1枚 --- 分数も小数も正方形の分割 --- 平方根は正方形の1辺の長さ
・方程式は天秤
・関数はブラックボックス --- グラフと座標の関係図
・微分は接線の傾き --- 積分は面積
小中学計算の到達目標と指導順序
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独習力の根幹を成す3大スキルは、中学卒業レベルの漢字・計算・英文法です。
計算の到達目標と指導順序は、以下のとおりです。
・小学生は卒業までに分数
・中学1年生は、正負の数→文字式→1次方程式
・中学2年生は、連立方程式
・中学3年生は、展開→因数分解→平方根→2次方程式
中学卒業までに、2次方程式の計算3法(因数分解型、解の公式型、エックス2乗=数字 型)が
すらすらできるようにしておけば、高校数学は独習が可能です。
教材使用上の注意
(1)絶対視しない
(2)二刀流であれ
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以下に、toBe塾での過酷な使用に耐えて生き残ってきた教材を列挙します。
ご使用のさい、以下の二原則を守ると、成果の上がる率が高くなるようです。
(1)絶対視しない
・いかなる教材も、どんな教え方も、絶対視しない(相対化しておく)ことが肝要です。
・上記『数学の学び方・教え方』を丸暗記して、書いてあるとおりに教えたはずのに、
生徒たちの「わかんな~い!!」の大合唱、「つまんな~い!!」の嵐。
それに続いて、生徒さまの「成績さがった」の一言、親御さまの「ここ辞めます」の電話。
そして私は胃潰瘍になりました。
そんな学生時代からの苦い体験から、私の個別学習指導法研究はスタートしています。
・学習指導法研究の大まかな手順は、おおむね以下のような感じです。
(1) まず、指導法の原理・原則を、しっかり頭にインプットする。
(2) 次に、とりあえず、本に書いてあるとおり(マニュアルどおり)に教えてみる。
(3) そして、生徒の反応を見ながら、原理・原則は固守しつつ、教える順序を入れ替えてみる。
(4) あるいは、問題数を増減したり、問題の難易度を上下してみる。
(2)二刀流であれ
教育の世界には、対立する多種多様なドグマが存在します。
どれもこれも、我が教育言説こそベスト、と主張します。
(このサイトの言説も例外ではありませんね)
その中のどれか1つにだけに帰依すると、必然的に、
眼前の生徒さん親御さんとの間に、ほぼ必ず、軋轢(あつれき)が生じます。
学習支援を10年20年と続けるには、対立する複数のドグマを理解し、体得したうえで、
生徒さん1人1人の特性に応じて、それらを自在に使い分けられるようになるのがコツです。
子どもたち1人1人の特性は、1人1人大きく異なるからです。
toBe塾YouTube授業は、
中学生と高校生が、
独習力の根幹をつちかい、
高校・大学へ進学して、
自己承認感タマゴを
主体的に育てる
お手伝いをします。
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(このページの「文字編」は、ただいま全面改定中です。完成予定の2019年春まで、以下を御覧ください)
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