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入試前の心得
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「第一志望は最終受験校」
と自分に思い込ませる
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数日から数週間にわたって試験が続く場合、
「最終試験日の学校が自分の第一志望校なのだ」
「最終受験日以前の入試はすべて模擬試験である」と、自分に思い込ませることが大切です。
そうしておかないと、試験初日でダウンしてしまうことになりがちです。
「試験日が最後の学校が自分の第一志望校」と自分に信じ込ませることにより、体力、気力、気持ち、緊張感、集中力が、最終試験日まで持続する可能性が高くなります。
最初の受験校に落ちて、そこより偏差値が10も高い最終受験校に合格!といった嘘のような奇跡が、毎年のように起きるのが、受験の真実です。
直前期の健康管理
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お母さんが受験期に出来ることは、お子さんの食事の管理に尽きると言えるかもしれません。
受験直前の生活は、基本的には「普段どおり」が一番ですが、
毎日のお食事は、合否に大きな影響を及ぼします。
栄養はバランスが最重要です。
カルシウムとビタミンCの摂取には特に留意なさってください。
受験期の睡眠時間
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普段の睡眠時間プラス1時間、が目安です。
たとえば通常の睡眠時間が7時間のお子さんは、8時間は眠ってください。
そして起きている時間にスッキリ頭で勉強に集中する。
これは東大合格者の多くが語る、勉強効率を上げる一番のコツです。
猛勉強で酷使した脳は、筋肉同様、睡眠中に「超回復」するようです。
睡眠中に記憶が定着し、シナプスのネットワークが拡大します。
十分に眠らないと、覚えたことも忘れてしまうし、
学習内容を無意識に構造化することもできません。
起床時間
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朝は、試験会場に開始30分前に到着する時刻から逆算した、
当日起きねばならない時刻に起きる訓練を、明朝から開始してください。
起床時間の調整には最低2週間位かかると言われています。
就寝時間も、その起床時間から逆算して、調整してください。
筆記用具、定規とコンパス、腕時計
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筆記具は、鉛筆です。
シャープペンは駄目。緊張でポキポキ折れます。
試験1週間前までに、使い慣れた2BかBかHBの鉛筆6本、小型鉛筆削り1個を用意してください。
シャープペン2本はまさかの場合の、あくまで予備として。
それを遅くも直前1週間の勉強から使い始めて、手に馴染ませるようになさってください。
定規とコンパスも、試験当日に使うものを、できれば遅くも試験1ヶ月前から使い始めましょう。
鉛筆、消しゴム、シャープペン、定規とコンパス、小さな鉛筆削りは、スペアの用意が必須です。
試験会場に持参する時計も、可能なら、スペアをもう一個、用意しておいたほうが、無難かもしれません。(試験中に時計が止まったり、試験会場に時計が無い場合があります)
交通機関と下見、衣服、飴
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入試当日、交通機関の〈乗り換え〉や〈道順〉を間違える受験生と親御さんは少なくありません。
予行演習は絶対に必ず実行してください。
バスは時間が不安定なので、可能なら避けて、タクシーを予約するなど、
別の交通機関をあらかじめ確保しておいてください。
試験会場の下見は、親御さんが試験日と同じ曜日の同時刻に交通機関を利用して、
当日の電車や道路の混み具合を体験しておいてください。
(受験生に満員電車は過酷です。遅くも朝7時半以前に乗車しましょう)
衣服は着脱の楽なものを。
試験会場の暖房具との遠近に応じた対応を楽にするためです。
指先がスムーズに動くように手袋とホカロンは必携。
マスクとマフラーで喉を温めると呼吸が楽になり、頭の働きがよくなります。
試験中に密かに飴類をなめて糖分を脳に補給するのは、禁じ手ではありません。
ガムは厳禁ですが、飴類は試験官に咎められることはないようです。
入試前夜の勉強
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入試前夜は易しい漢字と計算の問題だけやるのが一番です。
易しい漢字と計算は、認知症の治療に役立つほど脳全体を活性化することが
医学的にも知られています。
漢字と計算のなかに人類の英知が凝縮されていることが、
脳全体を活性化する理由なのでしょう。
漢字と計算力は、急に上がってストンと落ちます。
受験前夜、興奮して寝つかれなくなったときにも最適です。
入試前日の食事
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入試前日の夕食に「カツ丼で勝つどん!」「カツカレーで華麗に勝つ!」
……最悪です。
試験中に胃がもたれて気分が悪くなりがちですが、
実際にはこの手の困ッタお母さんと学校が少なくありません。
2005年大ヒットのコミック版『ドラゴン桜』主人公の男の子は東大に落ちました。
母親の振る舞った前夜のカツ丼が原因だったのかもしれません。
油は消化吸収が悪いので、試験の緊張で衰弱しきった胃が、受け付けてくれません。
3大栄養素のタンパク質と炭水化物と脂肪のうち、胃腸を素通りしてしまう脂肪=油は、
消化吸収に一番時間が掛かります。
眠れなくても大丈夫!高熱でも受験会場へ
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試験前夜、もしよく眠れなくても、心配なさらないでください。
受験指導歴40年以上の体験から、前夜の睡眠の深さと合否は無関係、と断言します。
試験当日、もし高熱を出されるようなことがあっても、試験会場には足を運んでください。
経験上、当日の身体のコンディションと合否も無関係です。
入試当日の朝ごはん
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朝ごはんを食べると、午前中の記憶力や注意力は、良くなる可能性が高まるようです。
献立も、食べる量も、普段と同じが一番です。
普段から朝ごはんを食べていない受験生は、保護者が受験生一人一人の特性を観察して、個別に判断する必要があるようです。
朝ごはんをあまり食べられない受験生には、次の理由で、ウィダーインゼリー等のゼリー状の食事が適しているようです。・胃腸への負担が少ない・「満腹」にまでならないので眠くなりにくい・試験中に便意を惹起しない
入試当日の昼ごはん
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午後まで試験がある場合、昼ごはんの量と質が問題です。
午後の試験は、一番眠くなる時間帯です。食べ過ぎると眠くなります。
消化の良い、油分の少ないものを、軽めに。
チョコレートは空腹感と眠気を同時に消すのでお奨めです。
テニスシングルス世界4位だった伊達公子さんは、試合直前、1時間の余裕があるときはおにぎり、30分を切ったときはバナナを食べたそうです。
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入試当日の心得
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絶対に合格する!という強い気持ち
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受験勉強に必要な3要素は[素質]、[努力]、[受かる気]ですが、
入試本番で最も威力を発揮するのは[受かる気]。
「この学校に絶対に合格する!」という強い気持ちが絶対不可欠です。
中学受験や高校受験と違って、大学受験は「浪人してもいいかな」といった
心の隙が微塵でもあると、落ちる確率が高くなるようです。
自分の〈 底力 〉を信じ切る勇気
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自分の奥深くには、試験終了の瞬間まで諦めずに力を出し切る「底力」(そこぢから)が有る。
自分には最後の最後まで自分の「底力」を信じ切る勇気が有る。
この確信が合格力を生み出します。
英訳で近いのは Be the best you can be! あたりでしょうか。
これはテニスダブルス世界ランキング1位だった杉山愛さんを支え続けた言葉です。
試験中のトイレ
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試験中、トイレは我慢しないこと。
手を挙げれば試験官が同行してくださいます。(試験官はたいてい優しいです)
教室外で意識的にゆっくり大きく深呼吸して、脳に新鮮な冷気を補給しましょう。
答え合わせはしない
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試験終了後に、答え合わせはしないように。
提出した答案は変更できないわけですし、
なにより試験中の手応えと合否結果は見事に一致しないものなのです。
済んだ試験の事はさっぱり忘れて、次の受験校対策に頭を切り換えましょう。
面接必勝の心得
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面接は、学校が受験生を選ぶ場なのではありません。
受験生が学校を選ぶための時間なのです。
面接には、
親/子ともに、「こんなに素敵な、才能溢れる我が子/私・僕の真価を見抜けないような学校なら、
入学はこちらからお断りさせていただきますよ」という、毅然とした気構えで望んでください。
これは、あらゆる面接試験での最強の合格心得です。
最後の一瞬まで、あきらめない!
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それでは、最終受験校の、ラストの試験が終了する瞬間まで、
諦めず、粘り強く、落ち着いて、試験問題と面接に取り組んでください。
「この学校に絶対に受かる!」という強い気持ちを最後の一瞬まで保ち続けてください。
自分の人生の扉を自分の力でこじ開けてください。成功を祈ります!
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入試後の心得
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受験後に猛烈な睡魔
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受験終了後の約一ヶ月間、猛烈な睡魔に襲われるものです。
脳神経を酷使して、莫大なエネルギーを消費したためです。
この間は取れる限り多くの睡眠時間を確保して、
脳に十分な休息を与えてあげてください。
これを怠ると入学式の後、春先に鬱や体調不良に陥ります。
若い頃のマイナス体験は必ず生きる!
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若い頃のマイナス体験は必ず生きます。
もしも今回は不合格でも、この体験を、将来、プラスに転じさせるチャンスが必ず訪れます。
なぜならば、長い人生は「塞翁が馬」(さいおうがうま 下記)だからです。
夢は必ず実現します!
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たとえ今回は夢が実現しなくても、10代の残りと20代を懸命に生きれば、
10代に抱いた夢は、30代40代に必ず実現します。
日本社会には、そうした仕組み/システムが、まだまだしっかり保たれています。
「塞翁が馬」(さいおうがうま)
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中国の北の方に占い上手な老人が住んでいました。
さらに北には胡(こ)という異民族が住んでおり、国境には城塞がありました。
ある時、その老人の馬が北の胡の国の方角に逃げていってしまいました。
この辺の北の地方の馬は良い馬が多く、高く売れるので近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに行きました。
ところが老人は残念がっている様子もなく言いました。
「このことが幸福にならないとも限らないよ。」
そしてしばらく経ったある日、逃げ出した馬が胡の良い馬をたくさんつれて帰ってきました。
そこで近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は首を振って言いました。
「このことが災いにならないとも限らないよ。」
しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。
近所の人たちがかわいそうに思ってなぐさめに行くと、老人は平然と言いました。
「このことが幸福にならないとも限らないよ。」
1年が経ったころ胡の異民族たちが城塞に襲撃してきました。
城塞近くの若者はすべて戦いに行きました。
そして、何とか胡人から守ることができましたが、その多くはその戦争で死んでしまいました。
しかし、老人の息子は足を負傷していたので、戦いに行かずに済み、無事でした。
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この話は、中国の古い書物「淮南子(えなんじ)」に書かれています。
「人間万事塞翁が馬」の「人間(じんかん)」とは日本で言う人間(にんげん)の事ではなく、世間(せけん)という意味です。
「塞翁」というのは、城塞に住んでいる「翁(おきな)=老人」という意味です。
「城塞に住む老人の馬がもたらした運命は、福から禍(わざわい)へ、また禍(わざわい)から福へと人生に変化をもたらした。まったく禍福というのは予測できないものである。」
という事です。
人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)
意味:幸福や不幸は予想のしようのない事の例え
( https://mizote.info/image/02profile/30kaisetu_jinkan.html より転載させていただきました)